地域の医療従事者の方へ

思春期から老年期までの幅広い精神疾患を治療対象としています。

当院は東三河地方で唯一(2020年5月時点)、精神科急性期治療病棟、認知症治療病棟を保有しており、思春期から老年期までの幅広い精神疾患を治療対象としています。
また、修正型電気けいれん療法、クロザピンなどの高度な精神科専門療法を導入しており、難治性のうつ病や統合失調症などの精神疾患にも対応することが可能です。
近年の老年精神医療への需要の高まりを受け、2018年9月には認知症治療病棟を開設し、BPSDのために病院や施設での対応が困難となっている認知症患者の治療およびリハビリテーションに力を入れています。
入院適応となる患者さんがおられましたら、できるだけ迅速に対応いたしますので、まずは医療相談室までご連絡ください。

患者さんのご紹介について

当院の医療相談室へご相談ください。

当院では受診・入院相談など迅速な対応ができるように『医療相談室』を設置いたしております。患者さんの紹介等につきましては医療相談室へご連絡ください。

医療相談室
TEL 0532-26-1101(代表)
受付時間 9:00 〜 17:00

空床状況について

  • 空床があっても病状等によっては診察医の判断によりご希望の病室への入院あるいは入院そのものをご遠慮いただく場合がございます。
  • 認知症治療病棟等、特定の疾患に対応する病棟が満床であっても他病棟で対応できる場合もございます。
  • 特別室(1日3,000円から5,000円)もございます。希望される方は診察時に申しつけください。

空床状況

病棟種別 男性 女性
精神科急性期治療病棟
認知症治療病棟
精神療養病棟(開放病棟)
精神病棟・精神療養病棟
重度知的障害対応病棟
アルコール依存症に対する教育プログラム入院
内科療養病棟
  • 空床あり(5床以上)
  • 空床あり
  • 空床なし

更新日:2020年11月13日

当院で対応可能な治療・検査

検査

種類 可否
CT
X線撮影
超音波検査
骨密度検査
心電図
ホルター心電図
検体検査全般
  • 対応可能
  • 対応不可

修正型電気けいれん療法

修正型電気けいれん療法とは

修正型電気けいれん療法とは額から数秒の電気刺激を加えて、脳にてんかん発作と同じ変化を起こし、精神症状を改善させる治療法です。

この治療法は約80年の歴史があり、薬物療法、精神療法とともに気分障害や統合失調症などの精神疾患に対する代表的な治療法の一つです。世界で年間に約1000万人が治療を受けていると推測されており、その安全性と有効性が確立されています。特に速やかな治療効果が必要な場合、薬物療法が十分な効果を示さない、あるいは副作用の問題で十分使用できない場合に勧められます。

従来の電気けいれん療法とは異なり、けいれんを起こさないように改良されたものを修正型電気けいれん療法といいます。

治療は精神科医や麻酔科医、看護師の構成で入院管理のもと行われます。

標準的な治療手順について(医師の判断で手順を変更することもあります)

  1. 治療前日までに術前検査として血液検査、尿検査、心電図、レントゲン、頭部CT、脳波などを行い、可能であるならばマウスピース(自費3000円)を作成します。
  2. 治療効果を高めるために、内服薬の一部を前日から中止します。
  3. 麻酔中の誤嚥防止のため、前日21:00から絶飲食になります。
  4. 当日の治療開始前に病衣に着替え、アクセサリー、入れ歯、コンタクトレンズを外し、点滴を開始します。
  5. 1階の処置室に移動し麻酔を開始します。
    1. 麻酔導入

      心電図・酸素飽和度・脳波・筋電図のモニター用の電極および通電用の電極を身体に貼り、血圧計を巻きます。顔に酸素マスクを当て、酸素を吸っている間に麻酔薬が点滴から入り意識がなくなります。その後、筋肉のけいれんを防ぐための筋弛緩薬を投与し、呼吸が停止します。マスク(または気管挿管)で十分に換気を行います。

    2. 処置中

      通電用電極から数秒の電気刺激を加えると、脳にてんかん発作と同じ変化が起こります。麻酔薬と筋弛緩薬を使用しているので痛みや不安、けいれんはありません。

    3. 処置終了・麻酔からの覚醒

      修正型電気けいれん療法が終わると、麻酔薬を止め、必要に応じて筋弛緩薬の作用を不活性化する薬剤を投与し、呼吸ができるようになるのを待ちます。自分で呼吸ができるようになった時点で病棟に戻ります。なおマスクからの酸素は続けます。処置室に入ってから病棟に戻る時間は30分程度です。

  6. 病棟では必要に応じて体温、血圧、脈拍数、酸素飽和度を測定します。1時間程度横になりマスクから酸素を吸い、飲水などの確認を行い食事開始となります。
  7. 上記の手順で当院では1週間に2回、計8~12回前後行うことが一般的です。
  8. 経過によっては1クール終了後に月に1回程度、維持療法を継続します。
  9. 安全確保のために治療中および前後に身体を抑制する場合があります。

修正型電気けいれん療法の危険性および副作用について

一般的な副作用は以下の通りです。修正型電気けいれん療法により死亡または重大な障害が起こる危険は数万回に1回で、出産の危険性より少ないものであり、当院では延べ1000回以上施行していますが1例も認めていません。当院では副作用の少ない短パルス矩形波治療器を使用しています。

  1. せん妄

    治療後覚醒するときに、麻酔、あるいは治療の影響としてもうろう状態となることがあります。通常1時間程度で改善しますが、数日間続く場合もあります。

  2. 記憶力の低下

    大抵は一過性であり、遅くても4週間後にはほぼ元の状態に戻るとされています。

  3. 軽い頭痛・頭重感を術後当日から翌日にかけて生じることがありますが一過性です。
  4. 歯、舌、口の中が傷つくことがあります。
  5. その他まれな副作用として吐き気、筋肉痛、誤嚥性肺炎、脳血管障害、不整脈、心疾患、静脈血栓塞栓症、悪性高熱症(家族歴の報告あり)、肝機能障害、腎機能障害、アナフィラキシーショック等を認めることがあります。心臓や血管の疾患、脳梗塞などの脳疾患、喘息などの呼吸器疾患、糖尿病、緑内障、網膜剥離、てんかん、骨粗鬆症、アレルギー(大豆・卵など)などの持病がある方は事前にお知らせください。

治療の効果について

修正型電気けいれん療法は非常に効果的な治療法ですが、必ず効果があるとはお約束できず、十分な改善を得られない可能性もあります。他の治療法と同じく、すぐに改善する場合もあればゆっくりと改善する場合もあります。また改善した場合であっても、一般的には再発予防のために薬物療法などを必要とします。

クロザピン

クロザピンについて

クロザピン(クロザリル®)は他の抗精神病薬で十分な治療効果が得られない『治療抵抗性統合失調症』に対して、もっとも高い評価を受けている薬です。海外では米国、英国をはじめ100ヶ国以上で承認され効果を上げている薬剤で、国内臨床試験でも治療抵抗性統合失調症患者の50%以上に改善が認められています。

クロザピンは日本では2009年から使われていますが、この薬についての講習を履修し、緊急時の対処を含めて十分な知識を習得し、審査を通過した医師(クロザリル®患者モニタリングサービス登録医)だけが処方できます。可知記念病院では、内科医との連携の下に必要な手続きを行い、2016年よりクロザピンによる治療を実施してきました。

治療抵抗性統合失調症とは

統合失調症に対する薬物治療は進歩しており、多くの方が社会復帰できるようになりました。一方で、複数の抗精神病薬を十分な量、十分な期間用いても症状が十分に改善しない、または副作用のために服薬継続が難しく、長期にわたる入院を余儀なくされ、生活に重度の支障をきたしている患者さんがいます。そのような状態を「治療抵抗性統合失調症」と呼びます。

クロザピンの効果と副作用

クロザピンは治療抵抗性統合失調症患者の50%以上に効果が認められます。長期にわたる入院を余儀なくされている方の退院が実現することもあり、長年つらい症状に苦しんできた患者さんやご家族にとっては切り札とも言える治療薬です。

しかし、まれではありますが、白血球減少や心筋炎、高血糖といった重篤な副作用が出現するおそれがあるため、副作用の早期発見や悪化防止のため定期的な採血などの検査を続けることが義務づけられています。また、初回投与開始から18週間は、入院管理下での治療が必要です。

重い副作用があるにもかかわらず、クロザピンが今日世界中で高い評価を受け、日本でも使用例が増えているのは、この薬が今までの治療では良くならなかった統合失調症にも非常に高い効果を持ち、それによって多くの患者さんの生活に希望をもたらしてきたという事実があるからです。

クロザリル®患者モニタリングサービス(CPMS)

クロザピンによる治療を行う医療機関は採血当日に血液検査などの結果を得ることができること、副作用に対する対応が可能なこと、糖尿病内科医との連携が可能であること、CPMS登録医、CPMSコーディネート業務担当者、クロザリル管理薬剤師がそれぞれ2名以上いることが登録要件になっています。可知記念病院はこれらの要件を満たしており、クロザピンによる治療が可能な医療機関です。

クロザピンを使用する患者さんは、個人が特定できないように配慮された形でCPMSというシステムに登録することが義務付けられています。これは適切な頻度で検査が行われ、安全に使用されているかを絶えず確認するためのものです。仮に副作用が出現した場合にも、早期発見ができ、適切な治療を行うことで回復につなげることができます。

詳しく説明を受けたい場合は

クロザピンを使ってみたい、クロザピン治療に関して詳しい説明を受けたい、とお考えの方は現在の主治医にご相談ください。また他の医療機関で治療を受けられている方は、現在の主治医とご相談いただき、主治医より可知記念病院まで詳細をお問い合わせいただくよう依頼してください。その後、診療情報提供書(紹介状)ご持参の上、外来受診をしていだだくことになります。

アルコール依存症治療プログラム

アルコール依存症とは

アルコール依存症とは、飲酒によってさまざまな問題を生じているにもかかわらず、飲酒を止められない状態です。飲酒を続けることで健康のみならず「仕事や家庭」を失い、最後は命を失うこともあるという恐ろしい病気です。

アルコール依存症の治療の基本は断酒ですが、アルコールには精神的にも身体的にも依存性を認めます。断酒しようとしても、離脱症状として不眠や不安、落ちつかなさ、幻覚などの精神症状、震えや発汗、動悸、発熱などの身体症状が出現するため、自力ではうまくいかないことが多いのです。断酒に失敗した結果、自分を責めることになり、そのストレスから逃れるためにさらに飲酒量が増えるという悪循環に陥ることもあります。

可知記念病院では本人が問題を自覚し、断酒する意志をお持ちの方を対象に約2カ月間の入院治療プログラムを実施しています。このプログラムは医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師、作業療法士によるチーム医療として、ご本人・ご家族と治療計画を検討した上で行われます。

アルコールの離脱症状および身体合併症の管理

入院後はまず、アルコールの離脱症状の管理のため、予防のため薬剤を必要に応じて使用しながら経過を観察します。加えて飲酒により引き起こされた、栄養障害、肝硬変、食道静脈瘤、膵炎、末梢神経障害、認知機能低下など様々な合併症に対して、内科医と協力して治療を行っていきます。個人差はありますが、約1~2週間で断酒のための治療に移行することが多いです。

断酒のための治療

身体面の回復後、断酒のための治療に入ります。断酒のための治療は8週間のプログラムとなります。主な内容は日記・KARPP(アルコール依存症に対する知識、対処法など*テキスト代 約2,000円)・薬剤指導・院外自助グループへの参加(交通費 約2,000円/毎週1~2回)・家族教室・外泊などです。入院中はすべて診療計画書に沿ったプログラムの運用を行います。

家族の方々へ

断酒のためには本人の治療意欲はもとよりご家族の協力が不可欠です。毎週土曜日の土曜会・家族教室への参加をぜひお願いいたします。また、早期の社会復帰を目指す観点から、自宅への外出・外泊の受け入れ、断酒会やAAなどの自助グループへの参加にもご協力をお願いいたします。

病棟の機能について

精神科病棟

精神科急性期治療病棟西3病棟

精神症状が悪化し、集中的な治療が必要な方が対象となる病棟です。急性症状の鎮静化を最優先し、早期退院を目標に治療・支援を行っています。病室の半数が個室であり、休息が取れる療養環境を提供しています。

認知症治療病棟西2病棟

認知症に伴う精神症状の悪化により、在宅や施設で安全に生活することが困難な方が対象となる病棟です。入院中は、認知症の周辺症状の改善を目指し、加えて作業療法等により認知症中核症状の進行予防に努めています。

精神療養病棟(開放病棟)東4病棟・南4病棟

精神疾患は比較的安定したものの、退院や社会復帰に関してはもう少し時間が必要な方が対象の病棟です。退院や社会復帰を阻害する問題の解決に向けた取り組みにより、退院支援を行います。 南4病棟ではアルコール依存症治療プログラムも行っています。

精神病棟・精神療養病棟東3病棟・南2病棟・南3病棟・西4病棟

急性期の治療後、引き続き治療を必要とする回復期の方や治療的環境が必要な慢性期の方、および休養を必要とする方を対象とした病棟です。多職種スタッフが社会復帰に向けた退院支援等を実施しています。

重度知的障害対応病棟東2病棟

行動障害(興奮、拒絶、徘徊、自傷、自閉、異食等)のため社会適応が難しく、家庭での生活が困難な重度精神発達遅滞の方が主な対象の病棟です。身体症状の改善、情緒の安定、基本的生活能力の向上、ならびに知的発達の促進等を図っています。

アルコール依存症に対する教育プログラム入院南4病棟

南4病棟ではアルコール依存症治療プログラムも行っています。
アルコール依存症とは、飲酒によってさまざまな問題を生じているにもかかわらず、飲酒を止められない状態です。
アルコール依存症の治療の基本は断酒です。本人が問題を自覚し、断酒する意志をお持ちの方を対象に約2カ月間の入院治療プログラムを提供いたします。

精神科以外の病棟

内科療養病棟東1病棟

主として長期にわたり療養を必要とする方が対象の病棟です。他の回復期病院や在宅系施設からの受け入れも行っています。重症の方はもちろん、終末医療を必要とする方も対象となります。しかしながら在宅復帰を目指す病棟でもあります。自宅への復帰を目標に、その方に適した治療を行います。

病棟案内はこちら

総合病院の関係者の方へ

豊富な病床数で、総合病院からの入院患者受け入れも可能です。

当院は内科、外科などの一般科医師が充実しており、総合病院での急性期の治療後、精神症状のために一般病院に転院することが難しい患者を受け入れることが可能です。生化学検査、単純X線、CTや超音波検査などの諸検査を迅速に行えることが当院の強みであり、こころとからだの両面から治療を行っていきます。当院で可能な身体的な治療や処置については別表をご参照ください。

当院への紹介について

当院の医療相談室へご相談ください。

当院は精神科病院でありながら精神科医以外に様々な専門科の医師が揃っております。複数の疾患を抱える方にも対応いたします。

患者さんの紹介等に関しましては、医療相談室へご連絡ください。

医療相談室
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受付時間 9:00 〜 17:00