豊橋市にある精神科の可知記念病院です。
今回のblogは医局の担当です。

ブルーゾーン(世界5大長寿地域)

「ブルーゾーン(世界5大長寿地域)」について簡単にまとめてみました。

ブルーゾーンという言葉はイタリアのサルデーニャ島で100歳以上の男性が多い地域が発見されたことを機に誕生しました。このことは学会等を通して次第に国際的に認知され、世界の長寿地域のライフスタイルや文化を紹介する「The Blue Zones」がダン・ビュイトナーによって出版されました。この本はたちまちベストセラーになったので、読んだことがある人もいるかもしれません。

[イタリア・サルデーニャ島]
イタリアのサルデーニャ島バルバギア地方は、100歳以上の人々が多く暮らすことで知られる「ブルーゾーン」の一つです。この地域は地中海性気候の恩恵を受け、美しいビーチと豊かな伝統文化が特徴的です。

サルデーニャの長寿者たちは、羊飼いや農民としてアクティブな生活を送り、日常的に運動を取り入れています。彼らの食生活は、全粒粉パン、豆類、野菜、果物を中心とし、ペコリーノ・チーズやワインも楽しんでいます。

これらの習慣は、長寿の秘訣として世界中に知られるようになりました。また、家族と共に生活し、コミュニティとの絆を大切にすることも、長生きの一因とされています。

[沖縄]
沖縄の長寿者たちから学べる健康と長寿の秘訣には、生きがいを持つこと、コミュニティとのつながり、植物性食品を中心とした食生活、農作業、日光浴、身体活動、そして強い意志を持つことなどが含まれます。

特に注目されるのは、長寿者たちの「ソーシャルキャピタル」、つまりコミュニティや家族、友人との強いつながりです。これらのつながりは精神的な安定をもたらし、生きる気力を増すことができるとされています。

[カリフォルニア州・ロマリンダ]
アメリカのカリフォルニア州ロマリンダは、セブンスデー・アドベンティスト教会の信者が多いとされています。彼らはタバコやアルコール、肉、カフェイン、刺激的な食品を避け、安息日を家族や自然と共に過ごします。彼らのライフスタイルは、適度な運動、健康的な食事、社会貢献、そして十分な水分摂取を含む、シンプルな生活習慣に基づいています。

[コスタリカ・ニコヤ半島]
中米コスタリカは、豊かな自然と生物多様性を誇り、約400種の鳥類が生息する「野鳥の楽園」です。人々は自然と調和した平和な生活を送っています。ブルーゾーンとして知られるニコヤ半島では、長寿者は「プラン・デ・ビーダ」(人生の目標)を持ち、伝統文化を大切にし、健康的な生活習慣を守ることで、長寿を実現しています。彼らの生活は、「生き甲斐」を見つけ、それを維持することの重要性を示しています。

[ギリシャ・イカリア島]
イカリア島は、エーゲ海に位置する小さな島です。「死ぬことを忘れた島」として知られ、地中海式食事法やスローライフを実践し、家族や友人との絆を大切にする長寿者の生活が特徴です。ある調査では、イカリア島には90歳以上の健康な人がギリシャの他地域の3倍もいることが明らかになりました。イカリア島の長寿者は、ヤギのミルクを飲み、運動を取り入れ、地中海風の食事をし、ハーブを常備し、昼寝をし、家族や友人を優先することで、健康と長寿を実現しています。社会とのつながりを重視し、それが健康や長寿に寄与していることを理解しているのです。