豊橋市の精神科の可知記念病院です。
本日のブログは医局が担当いたします。
市販の点鼻薬にご注意を
花粉症の季節になりました。といってもほぼ1年中花粉症なのでは…と思うほどですね。さて、花粉症の治療薬では飲み薬や点眼薬や点鼻薬が主流ですが、特に飲み薬は眠気や注意力低下の副作用に注意が必要です。車の運転に支障をきたすことがあるので、病院やドラッグストアで聞いてみましょう。
私自身はステロイドの点鼻薬を使用していますが、病院で処方してもらっています。市販の点鼻薬もあるにはありますが、“血管収縮薬”(ナファゾリンやオキシメタゾリンなど)が入っていることがほとんど。これが厄介です。
花粉症ではアレルギー反応で鼻の粘膜がむくんでしまうのですが、血管収縮薬は血管を縮めてそのむくみを軽くする作用があります。しかも即効性があるので、「効いた!」という感覚が出やすいのですね。しかし、連日使用していると身体の反応としてかえって血管が拡がって鼻の粘膜のむくみがひどくなることが知られています。これを“薬剤性鼻炎”と言い、最短3日の使用で生じてしまうと言われているのです。
鼻詰まりがひどくなる→血管収縮薬入りの点鼻薬を使う→血管が縮んで一時的に楽になる→リバウンドで血管が拡がってかえって鼻がむくむ→鼻詰まりがひどくなる→血管収縮薬入りの点鼻薬を使う→…
こうなってしまうと、何のための治療か分かりません。血管収縮薬の入った点鼻薬はあくまで緊急避難的な使用に留めることがポイントです。