豊橋市の精神科の可知記念病院です。
本日のブログは歯科が担当いたします。

舌痛症

今回は「舌痛症」のお話の続きです。
舌が痛む病気はさまざまありますが、それらを疑っていろいろ調べても痛みの原因となっている病気が見つからない場合に診断されるのが「舌痛症」です。

どんなときに痛みが減るか観察してみましょう
舌痛症の痛みは、日によって、時間帯によって増減します。どんなときに痛みが増し、何をしていると痛みが減るかに気をつけてみてください。痛みを客観的にとらえることが、ご自分のつらさを客観視することにつながり、これが痛みの不安から距離を置くきっかけになって、改善へ踏み出す第一歩になります。

日中の食いしばりを発見してやめましょう
食いしばると舌が緊張し、歯に強く押しつけられて痛みが増しやすいです。仕事中、運転中、料理中などにしていないか気をつけ、していたら歯を離しましょう。

痛みを抑えるお薬の服用も効果的です
舌痛症の患者さんにみられるのが、痛みを抑制する脳内ホルモンの働きの低下です。これを改善させ痛みの抑制に効くのが抗うつ薬や抗てんかん薬です。ただし、こうした薬の舌痛症治療への使用は適応外処方になりますので、慢性痛を専門に診ている病院で相談してください。漢方薬では五苓散、白虎加人参湯、加味逍遙散が有効だとの報告もあります。

服薬+カウンセリングと生活改善で効果アップ!
抗うつ薬や抗てんかん薬の服薬は、舌痛症の痛みの抑制に効果的ですが、お薬をやめると痛みが元どおりになってしまうのでは困ります。そこで、服薬だけでなく、医療面接で受けた生活指導を毎日に生かしていきましょう。食事では刺激物を避け、睡眠時間を確保します。痛みの変化を観察し、痛みが和らぐ時間帯を少しずつ増やしていきましょう。
舌痛症の原因は十分にわかっていませんが、ひとつの説として言われているのが脳の神経ネットワークの複雑なシステムです。脳が心の痛み(ストレス)をキャッチし「からだが痛い!」とシグナルを出してしまうことが一因ではないかと考えられています。(参考文献:nico2020.03)

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