豊橋市の精神科の可知記念病院です。
本日のブログは医局が担当いたします。
エビデンスとEBM
EBMは何かと勘違いされがちです。「何でもエビデンスに当てはめて治療すること=EBM」では決してありません。EBMは病気と人をきちんと見ていく姿勢です。その患者さんのことを思い、その患者さんにとって最善の治療を頭いっぱいめぐらせていくことです。Sackett先生によるEBMの定義は以下の通り1)。
Evidence based medicine is the conscientious, explicit, and judicious use of current best evidence in making decisions about the care of individual patients. The practice of evidence based medicine means integrating individual clinical expertise with the best available external clinical evidence from systematic research.
“個々の患者さんのケアについて”と、きちんと述べられています。エビデンスを参考にして、その患者さんの生活・人生を考えて治療をしていくことがEBM。文献的な知識だけで医療を行なうわけでは決してありません。
【参考文献】
1) Sackett DL, et al. Evidence based medicine: what it is and what it isn’t. BMJ. 1996 Jan 13;312(7023):71-2. PMID: 8555924