豊橋市の精神科の可知記念病院です。
本日のブログは薬剤部が担当いたします。

ウインターブルー

真冬なので寒い日が続いていますが、朝6時頃起床しても外はまだ真っ暗。布団の中があたたかくて出たくないと思うのは私だけではないはずです。眠い目をこすりながら着替えやら朝食やらごみ捨てやら済ませていると外は明るくなってきます。通勤のため車に乗り込む際、風の冷たさで一気に目が冴えます。
今日は「ウインターブルー」をテーマにしたいと思います。ところで「ウインターブルー」って言葉聞いたことはありますか?
冬季うつ病のことで季節性感情障害の一つです。実は冬季は日照時間が短くなるため、太陽を浴びることで作られる「セロトニン」が少なくなりがちです。セロトニンは脳内で精神安定ホルモンとして働きます。別名「ハッピーホルモン」とも呼ばれ、感情のコントロールや心のバランスを保つ役割があります。セロトニンが不足するから精神が不安定になり、結果「ウインターブルー」を引き起こしているのです。
「ウインターブルー」の症状としては抑うつ症状や焦燥感、倦怠感、過眠、過食などがあり、発症割合をみると男性1に対し女性4と女性に多いのも特徴です。
日光を浴びれば浴びるほどセロトニンが無限に増えるわけでもないので、1日15~30分ほど日光を浴びることを意識すればいいかと思います。起床後30分以内に太陽の光を浴びると体内時計がリセットされ、夜メラトニンが出やすくなって睡眠にもいい影響が出るとも言われています。食事の面でもセロトニンの生成には、トリプトファンという必須アミノ酸が大きく関わります。必須アミノ酸は人間の体内で生成されないため食事から摂る必要があります。牛乳やチーズなどの乳製品、納豆や豆腐などの大豆製品、ナッツ類やバナナなどがトリプトファンを含む食事として挙げられます。
私達誰もがいつウインターブルーになるか分かりません。予防法として食事を含めた規則正しい生活や適度な運動、太陽の光を浴びることが有効なのは間違いありません。服薬も一つの手段にはなりますが、予防法は各個人でできることなので紹介させていただきました。今年も薬局共々よろしくお願いいたします。