計1万回以上の新型コロナワクチンの接種が完了しました
今回のblogは医局の担当です。

新型コロナウイルスに対する取り組み

この頃日本では新型コロナウィルスの感染者数が減ってきましたが、可知記念病院では流行の第6波に備えて、気を引き締めて日々の診療にあたっています。今回のblogでは当院でのこれまでの新型コロナウィルスの感染症に対する取り組みをまとめてみました。

[新型コロナワクチンの接種の推進]

当院ではワクチン接種を進めることが、新型コロナウィルスのパンデミックを収束させるために最も有効な方法であると考えています。そこでワクチン接種が可能な医療機関としていち早く名乗りを上げ、ファイザー製のワクチンを長期間保管するための超低温フリーザーを確保しました。当院の職員に対しては3月から5月にかけて、地域住民に対して6月から8月は木曜日以外のほぼ毎日、9月以降は毎週日曜日にワクチン接種を続け、現時点で延べ1万回以上の接種が完了しています。現在は1回目の接種の受付は終了していますが、12月から順次、3回目のブースター接種にも対応する予定です。

[当院での新型コロナワクチンの副反応]

報告されている通り、接種部位の痛みや発熱、体のだるさなどが、特に若者に多く出現しました。これらの副反応のほとんどは、2日以内に軽快しましたが、ごく稀に1週間程度症状が続く方も見えました。アナフィラキシーなどの生命に関わる重篤な副作用は幸運なことに生じませんでした。自律神経が乱れることで一時的に血圧が低下してしまう、血管迷走神経反射という副作用を数人に認めましたが、しばらく横になって休んでいただくことで全員回復し、問題なく帰宅することができました。

[積極的な抗原検査の施行]

当院ではルミパルス®(全自動化学発光酵素免疫測定システム)という機器を所有しており、精度の高い抗原検査を行うことができます。これはPCRほどの精度はないですが、PCRより早く40分ほどで結果を出すことができます。新規に入院される方や、入院中に発熱を認めた方に対して積極的に検査を行っており、院内に新型コロナウィルス感染症が蔓延するリスクを最小限に減らしています。

[新型コロナウィルスに対応した設備の整備]

当院ではHEPAフィルターというウィルスを除去する特殊なフィルターを有した病室を6床確保しており、新型コロナウィルス感染症の発生に備えています。また、外来には陰圧スペースを2か所確保しており、発熱している方に待機していただいたり、新型コロナウィルスの抗原検査を行ったりしています。病院の入り口の天井に設置したカメラでは、来院者の体温を常時測定しており、新型コロナウィルスの持ち込みを防いでいます。タブレットや、非接触式のセンサーで正面から体温を測定されると威圧感を感じますが、この機器でしたら外観上は一般的な監視カメラと変わりありません。