今回のブログは薬剤部が担当します。

インフルエンザ脳症について

今年のインフルエンザ感染者の増加傾向がここ数年で最多となったとニュースがありました。他にもタミフル後発品の一部の製造が追いつかず一時供給停止となるニュースもあり、こちらも感染者の多さを表してるように感じました。
インフルエンザは感染力が強く高熱と身体のダルさが特徴の風邪に似たウイルス性疾患ですが、風邪と違いワクチンや特効薬が存在するため有効な感染対策や治療のある感染症ではあります。
ただし重症化して高齢者等が亡くなるケースがあったり、小児では稀にインフルエンザ脳症を引き起こす場合があるため油断はできません。今年は感染者も多く、インフルエンザ脳症というワードを耳にする機会を多く感じました。今回はこのインフルエンザ脳症について解説していきたいと思います。
まずインフルエンザ脳症の症状ですが感染後に意識障害やけいれん、異常行動・異常言動を引き起こす疾患です。主に幼児に多いですが大人が発症することもあり、軽症で予後が良好なものもあれば後遺症が残ったり、死亡する例もあります。発症が疑われる場合にはすぐに医療機関に受診し治療を受ける必要があります。
そして我々薬剤師が“インフルエンザ脳症”と聞いて思いつくことは、『アセトアミノフェン(カロナール等)以外の解熱薬はインフルエンザ脳症を引き起こす可能性があるためインフルエンザの解熱には使用しない!!』と言った注意事項です。
インフルエンザ脳症と解熱剤の関係性は不明な点はまだ多いようですが、唯一アセトアミノフェンに関しては安全性が高いということがわかっています。
その他の解熱鎮痛剤(ロキソニン等)に関してはアセトアミノフェンと比べて解熱用として使われるケースが少なく安全性は未知数ということもあり使用は控えたほうが無難になります。
最後にインフルエンザ脳症の発症を防ぐには何よりも、“インフルエンザに罹らないよう感染対策を行ったりワクチンの接種が重要”となります。