豊橋市の精神科の可知記念病院です。
今回のブログは検査課が担当します。

梅毒について

皆さんは、「梅毒」という病気が最近増えていることをご存知でしょうか?
梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌によって引き起こされる病気です。
症状として見られることがある赤い発疹がヤマモモ(楊梅)に似ていることからこの名前が付きました。
感染経路は主に性行為による接触ですが、母体が感染していることによる胎児への感染(垂直感染)もおこります。
また、血液にも細菌が含まれるため、感染者の血液が傷口などから入っても感染してしまいます。
病期によって症状が異なり、全身に様々な症状が出ます。
早期の適切な治療で完治が可能ですが、放置すると脳や心臓などに重大な合併症を引き起こす怖い病気です。
今回は検査課として、そんな梅毒の検査についてお話します。
梅毒診断のために行われるのは血液検査です。
RPR
TPHA(梅毒トレポネーマ抗体)という二つの検査を行い、それぞれの結果を踏まえて診断します。
RPR
とは、梅毒の現在の感染性をみる検査。
一方TPHAは、過去に梅毒にかかったことがあるかをみる検査です。ゆえに、治療後も陽性のままとなります。
検査結果の解釈は以下のようになります。

RPR(+)TPHA(+)
:梅毒に感染している
RPR(
)TPHA() : 梅毒に感染していない
RPR(+)TPHA(
):初期の感染の可能性あり。または、生物学的偽陽性
RPR(
)TPHA(+) : 梅毒の治癒後。または、TP法の偽陽性

自分が感染しないことはもちろん重要ですが、大切なパートナーに移すことが無いよう、梅毒に注意していきましょう。