豊橋市の精神科の可知記念病院です。
本日のブログは歯科が担当いたします。

フッ素(フッ化物)

今回は、フッ素(フッ化物)のお話です。
むし歯予防の強い味方であるフッ素配合歯磨き剤、そのフッ素の3つの働きについてご紹介します。
まず「初期のむし歯」は、細菌の出す酸により、歯の成分が溶け出す「脱灰(だっかい)」が進んだ状態です。この段階はまだ歯に穴が開いていないため、溶け出した成分を歯に戻す「再石灰化(さいせっかいか)」を促すことで、脱灰が進んだ部分を硬化させて進行を止めることができます。これが初期のむし歯の治療の基本です。
ここで主役となるのが、フッ素です。フッ素は、むし歯予防効果の高い成分として知られており、おもに3つの働きがあります。

歯の再石灰化の促進
唾液にはもともと再石灰化作用がありますが、フッ素はその働きを加速させます。

歯を酸に強くする
私たちの歯は「ハイドロキシアパタイト」という物質でできています。とても硬い物質ですが、酸には弱いです。フッ素によって歯の再石灰化が促進される際に、ハイドロキシアパタイトは「フルオロアパタイト」という酸に強い物質に変わります。

細菌の活動を抑制する
お口の中にフッ素があると、細菌が酸を作り出す力を減少させます。

こうしたフッ素の効果を発揮させるには、定期的にフッ素をお口に供給し直すことが大切です。毎日の歯磨きのたびにフッ素入りの歯磨き剤などを継続的に使用することで、初期のむし歯の進行が止まり、再石灰化が促進されます。使用回数が多いほど、むし歯の抑制効果が高くなることがわかっています。歯磨きは、歯に付着したプラークを落とすだけでなく、歯にフッ素を供給する機会として考えていただければと思います。
歯磨き剤のフッ素濃度・使用量は、年齢に応じたものにすると効果的です。成人なら、1450ppmの歯磨き剤を利用しましょう。(参考文献:nico2023.11)

当院は、入院患者さんや通院患者さんはもちろんのこと、歯科のみの受診も可能です