豊橋市の精神科の可知記念病院です。
今回のブログは薬剤部が担当いたします。
“薬剤耐性”
昨年の秋ごろに中国で“薬剤耐性のあるマイコプラズマ”が原因の小児の肺炎が流行しているとニュースがありました。ここ数年のコロナ禍のこともあり一時はどうなるものかと思いましたが、幸い中国以外での感染拡大の話は今のところ無いようです。
感染症で時々使われる“薬剤耐性”という単語ですが、通常は治療効果のある抗生剤や抗ウイルス薬が効きにくい細菌やウイルスなどに使われます。マイコプラズマ感染症ではクラリスロマイシン(先発品名:クラリス)が第一選択薬の為、これに対する耐性を持つものが出現しやすく以前から問題となっています。
では薬剤耐性菌・ウイルスはどうして誕生するのか?ですが、身近で起こりやすい例として先ほどのマイコプラズマを例にしますとクラリスロマイシンを使うことで耐性のない菌から死滅していきますが、若干の耐性がある菌は死滅までに時間がかかります。ここで症状が改善したと思い自己判断で服薬をやめてしまうと…生き残った耐性のある菌が増殖し、同じ抗生剤が効きにくくなります。
その為抗生剤等が処方された場合は必ず用法用量を守り、症状が緩和しても最後まで飲み切るよう注意してください。