豊橋市の精神科の可知記念病院です。
本日のブログは医局が担当いたします。

たくさんある抗ヒスタミン薬

季節柄、花粉症に対する抗ヒスタミン薬を必要とする患者さんが増えてきました。抗ヒスタミン薬には数多くあり、処方されるもの以外にもドラッグストアでも購入することができます。
どれが良いのか悩むところではありますが、基本的なポイントをいくつかピックアップしてみましょう。
ひとつは、自動車運転に影響を及ぼさないかどうか。眠気を出す薬剤は運転に危険であり、眠気を自覚していなくても注意力の低下をもたらすことがあります。処方薬の中では、例えばセチリジンは運転が“禁止”の薬剤であり、フェキソフェナジンは運転の制限がありません。
また、女性であれば、妊娠や授乳というのも気になるところです。例えば、フェキソフェナジンやロラタジンは先天異常のリスクが上昇しないことが確認されており、さらには授乳中でも比較的安全に使用できるだろうと言われています。
このように、様々な切り口から“安全”な薬剤を選んでいくことが必要となります。ただ、花粉症の諸症状には内服の抗ヒスタミン薬よりもステロイドの点鼻薬のほうがより有効とされており、海外のガイドラインではステロイドの点鼻薬が推奨されているという点にも注目しておきましょう。