豊橋市の精神科の可知記念病院です。
本日のブログは医局が担当いたします。
『退院』
病院には、入院があれば退院があります。休養のために短期間入院される方もいらっしゃれば、(これはしばしば精神医療で問題となることもあるのですが)長期間の入院をしている方もおられます。一人ひとりの患者さんには固有の背景があり、精神の疾患もみな同じものではないため、適切な入院期間は、ご本人、ご家族と治療者、地域福祉などを含めて、よく話し合っていくことが重要と考えています。なお厚生労働省としては、地域の中での治療に移行できる場合は、退院の支援をすることが望ましいとの考えを発信しています。ここでも、むやみに退院を急ぐ(ただ入院期間を短くする)というメッセージは出されていません。十分なサポートをご本人と他職種で話し合い、地域移行の可能性を真摯に探っていく、ということだと理解しています。
さて、実際に長期間入院を担当した患者さんが、希望を抱いて退院されていくのを見るのは嬉しいことです。地域サポートの頼もしさを痛感します。一方で、退院された患者さんの新しい生活、新しい経験をフィードバックし、入院治療へも還元していきたいと考えています。その患者さんが、退院できるまでに回復した背景には、同じ入院生活を共にされた方々との生活や感情教育が反映されているからと思うからです。病院は、そのような休息と回復、学習の場であるべきと信じています。