生化学の面から見たMg(マグネシウム)について

豊橋市の精神科の可知記念病院です。
本日のブログは検査部が担当いたします。

マグネシウムという物質について皆さんは、イオン化すると二価の陽イオンになりやすいというくらいはご存知かもしれません。
当院では一部の項目を外部の業者に依頼しております。そのような検査項目の中でMgは比較的以来の多い項目です。今回は検査依頼が意外と多いMgについて紹介していきます。Mgは生体内で酵素の補助因子として作用することで代謝の調節に重要な役割を持っています。代表的なものとして糖の代謝(解糖系)があります。解糖系とはブドウ糖をエネルギーに変える反応系のことです。
グルコース(ブドウ糖)+ATPグルコース6-リン酸+ADP
上記の反応は解糖系の最初の反応で酵素にヘキソキナーゼ、補酵素にMgを必要とします。この他にもMgが関わる反応は多々ありますがここでは省略させていただきます。

Mgが異常値を示す疾患

上昇する疾患

アジソン病や慢性腎不全、甲状腺機能低下症などがあります。また、疾患とは異なりますがビタミンDの過剰摂取やリチウム製剤での治療により上昇することもあります。

減少する疾患

SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)や急性膵炎などがあります。しかし、これらの疾患はMgの測定によって診断ができるというわけではありません。

今回は以上となります。次回もよろしくお願いします。