本日のブログは薬剤部が担当いたします。
点眼薬について
点眼薬について大切な点をお伝えしたいと思います。
1回に1滴が基本
点眼薬は、1回に1滴で十分です。それ以上さしてもあふれ出てしまうため目に対する薬の効果は増強しません。点眼薬1滴は、約50μLでこれが5mLの点眼製剤だとすると約100滴分に相当します。
使用間隔と順序
2種類以上の点眼薬を時間を空けずに続けてさすとそれぞれの点眼薬が薄まってしまいます。また点眼薬が混ざり合って、効果に影響が出ることがあります。5~10分間の間隔をあけて点眼するのがよいとされています。
点眼順序ですが、①最も効果を期待する重要な点眼薬は最後に点眼②懸濁性点眼液は、水に溶けにくく吸収されにくいので後から点眼③油性点眼薬は、疎水性であり、水性点眼剤をはじくので後に点眼となります。
望ましい順番は、水溶性点眼薬⇒懸濁性点眼薬⇒油性点眼薬となります。
保管と使用期限
ほとんどの点眼薬は室温で保存ができます。直接日光が当たらないように気をつければ点眼薬のほとんどの成分自体は室温で安定です。冷所保存が好ましい点眼薬もあります。外来患者については、院外処方で受け取る患者さんもいらっしゃいますが、必ず保険薬局薬剤師から説明があります。
点眼薬の成分には、光に対して安定性の悪いものがあります。ただし、室内の照明の光であれば色のついた添付のビニール袋(遮光袋)に入れておけばまず心配ありません。しかし、太陽光線のような強い光に対しては、遮光効果が完全でない袋もありますので直射日光には注意が必要です。また点眼容器のラベルは遮光の役割もしていますのではがさないようにすることも大切です。晴天時に点眼薬を自動車内に放置すると薬液の温度が70℃以上に上昇することがあり、点眼容器そのものが変形する事があるので注意が必要です。
点眼容器に記載されている使用期限は開封前の使用期限です。開封したら遅くとも1ヶ月以内には使い切るようにしましょう。1ヶ月以内でも、薬液の中に浮遊物や濁りが認められたら使用するのはやめましょう。