今回のブログは医局が担当します。

『診療所(クリニック・医院)と病院』

診療所と病院の大きな違いは、その規模です。病院の場合、入院施設としてベッド数が20床以上あり、医師数も患者さんの人数に対して最低何人と決まっています。一方でベッド数が1-19床なら有床診療所、ベッドがなければ無床診療所、それから歯科診療所があります。

内科や外科などの場合、例外もありますが、概ね大きな病気や怪我を治療するのが病院、軽めの病気や怪我を治療したり、かかりつけ医として頼れるのが診療所、という使い分けになると思います。

では精神科ではどうでしょうか。軽症の方が診療所(クリニック等)を受診し、重症の方が精神科病院を受診するのでしょうか。そういう面もあるかとは思いますが、病院(当院)の特長としては、身体の検査(血液検査、CT、脳波など)で精神症状の原因がないか調べること、PSW(精神保健福祉士)と生活や福祉の相談をすること、臨床心理士のカウンセリングを受けること、デイケアで生活のリズムを作ることなど、多職種によるさまざまなサポートが可能な点が長所として挙げられると思います。精神疾患は、薬物治療と精神療法(精神科医師の診察)で順調に良くなることもあれば、治療が一進一退で長期化することも少なくありません。この「分かれ目」の理由はまだ解明されておらず、患者さん・治療者にとっての大きな悩みどころですが、臨床経験として、上記のような多方面からのサポートが状況を良くすることが多いと感じています。

どの医療機関を受診しようか迷われた時の一助にしていただけましたら幸いです。