今回のブログは薬剤部が担当します。
精神科領域では統合失調症などの治療で持効性注射剤(デポ剤)であるLAI(Long Active Injectionの略)製剤が使われることがあります。どういった特徴があるのかを今回解説していきます。
LAIの主な特徴としては長い投与間隔と効果持続です。LAIの導入により内服薬は基本的には不要となり、内服治療で発生し得る飲み忘れによる症状の悪化を防ぐことができます。
製剤は大きく分けて3種類あり、それぞれ
・リスパダールコンスタ(リスペリドン):2週間間隔
・ゼプリオン(ハリペリドン※リスペリドンの代謝産物):4週間隔(TRI製剤は12週間隔)
・エビリファイ持続性水懸筋注(アリピプラゾール):4週間隔
となります。
使用条件は各々同一成分の内服薬の治療実績(過去の服用歴)があることが前提となります。
注意点もあり、導入時に効果が出るまでは時間がかかることが第一にあがります。この対策としてエビリファイ持続性水筋注では初回注射後2週間は同一成分の内服薬を併用して血中濃度を安定させていく方法が添付文書にも記載されています。他にもゼプリオンは初回導入時に最高用量の150mgから開始し、その1週間後に100mgを投与しそれ以降は4週間間隔で維持用量まで調整していくなど製剤ごとに対策がされています。
他にも
・効果が持続するのと同様に副作用も持続してしまう
・投与間隔ごとの通院が必要、
・稀に次回の投与時期近辺で血中濃度が低下した際に症状が不安定になる場合がある
などがあります。




