今回のブログは薬剤部が担当します。
10月1日よりインフルエンザワクチンの接種が各地で始まり、ほぼ同時期に流行期入りしました。例年よりも“早い流行入り”となり各地で早めの接種を推奨する呼びかけを耳にしました。そういった影響もあり普段よりも早めにワクチン接種を受けた方が多いように思います。
しかし一方で『早めに接種してしまってもシーズン終盤までに効果が切れてしまわないか??』と心配になる方もいるのではないかと思います。
インフルエンザワクチンは従来の注射型不活化ワクチンの他に昨年度から使用が始まった経鼻型弱毒生ワクチン(フルミスト)の二種類があります。
不活化ワクチンは一回の接種で大体1シーズン(3~5か月)効果が持続するのに対して経鼻型弱毒生ワクチンでは6か月~1年効果が続くとされています。
6か月~1年であれば早めの接種でも十分期間内は効果が期待できそうですが不活化ワクチンは3~5か月とシーズン途中で効果が切れないかと不安になってしまいます。
しかし最短3か月で急に効果がなくなるわけではなく3か月以降は徐々に効果が落ちて行くので3~5か月効果が持続するとなっているようです。
弱毒生ワクチンの方が不活型と比べて効果が長く続く理由としては弱毒化したウイルスを接種することで実際の感染に近い形で免疫ができるため効果が長くなると考えられています。
経鼻型弱毒生ワクチンは接種する際の負担が少なく効果も長いとメリットが大きいように感じますがいくつかデメリットもあります。
まず一つは現時点で使用できるのが2歳~18歳の未成年に限定されている点です。成人は使用できません。
そしてもう一つは3~4割で風邪に似た症状が出たり、接種後1~2週間はインフルエンザ抗原検査で陽性が出る場合があります。
それぞれのワクチンにメリットデメリットはありますがいずれのワクチンも感染を完全に防げるものではありません。コロナ禍ではマスクや手指消毒などの感染対策が十分に徹底された結果インフルエンザの感染者数が激減した例もあり、これらを合わせて対策を行うことが大切です。




