本日のブログは歯科が担当いたします。

中日新聞の紙上診察室のコーナーに『顎骨壊死予防 適切な処置』についての掲載がありました。とても大切な情報ですので、ご紹介させていただきます。

顎骨壊死予防 適切な処置

Q.骨粗しょう症と診断されて、6年前からミノドロン酸の錠剤を飲んでいます。歯科医師に、ミノドロン酸の服用を止めても今後、抜歯はできないと言われました。抜歯が必要な時はどうすればよいのでしょうか。(女性・79歳)

 

A.骨粗しょう症は骨がもろくなり、骨折のリスクが高まる疾患で、高齢者の寝たきりの原因にもなります。治療薬の一つであるミノドロン酸は、骨密度を高める効果があり広く使用されていますが、抜歯後まれに、骨の代謝や血流が阻害され、「顎骨壊死」を引き起こすことがあります。

長期間、服用している場合は、抜歯前後の休薬の提案も。一方、休薬の有効性を示す明確な根拠はまだ十分ではなく、休薬で骨折リスクが高まる可能性もあり、慎重な判断が必要です。このため一般的には、抜歯前に抗菌薬を予防的に投与し、感染を防ぐ対策をとり、抜歯します。

ミノドロン酸を服用中の患者からは「抜歯できないのでは」と、よく質問されます。持病がある高齢者も多く、口腔衛生の不良や歯周病、糖尿病、喫煙、ステロイドの服用などで顎骨壊死のリスクは高まります。

抜歯が必要な場合、服薬状況を必ず歯科医師に伝えてください。抗菌薬の使用や口の中を徹底して清潔に保つなど、適切な対策で治療を円滑に受けることができます。顎骨壊死は発症すると治療が困難で、予防が最も重要です。骨粗鬆症の治療開始前に歯科検診を受け、必要な処置を済ませておくことが望ましいです。かかりつけの医師に相談しましょう。(愛知学院大歯学部口腔内科・口腔病態制御学講座主任教授 阿部 厚先生)

 

(中日新聞 2025.10.07掲載)

 

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