今回のブログは薬剤部が担当します。
以前からアレグラやガスターなど医療用医薬品が初めて市販化される際に同じ名前で販売される(スイッチOTC)ことはありましたが、カロナールやメジコン、ムコダインなど既に同じ成分が市販薬として販売されていたものが新たに医療用と同じ名前・同じ用量で市販される医薬品も最近出始めてきました。
一般の利用者視点では通院することなくいつでも気軽にドラッグストア等で医薬品が購入しやすくなるので利便性があがります。
しかしこのような市販薬が増えてきた背景としては利便性以外にも “セルフメディケーション”の推進強化の意図があるように感じます。
セルフメディケーションとはWHOの定義で「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」となっています。
セルフメディケーションを推進する意義としてはパンデミック発生時等の医療機関のひっ迫やその際に使用される一部医薬品(主に解熱剤や咳止め等)の品薄の緩和といった目的等があります。
そして先ほど例に挙げたカロナールやメジコン等は当時流通不安定になっていた医薬品の代表的なものでした。
メリットが大きいように思うセルフメディケーションですが、市販薬は通院・処方薬と異なり保健が適応されず全額自己負担となるので金銭的負担が大きくなってしまうデメリットがあります。詳細は省きますが市販薬に対しては“セルフメディケーション税制”を受けることで負担の緩和ができます。
また極端に通院することなく市販薬に頼り過ぎてしまうことで重大な疾患を見過ごしてしまう可能性がありますので症状が改善しなかったり逆に悪化してしまった場合はすぐ医療機関へ受診するようにしてください。