「エコノミークラス症候群」について

豊橋市の精神科の可知記念病院です。
今回のブログは検査課が担当します。

「肺血栓塞栓症」または「静脈血栓塞栓症」と言われる病気をご存じでしょうか?
「エコノミークラス症候群」といったほうが馴染みがある方もいらっしゃるかもしれません。

震災の際に問題となり有名になった「エコノミークラス症候群」について、
今回はお話したいと思います。

エコノミークラス症候群とは、足などの下半身にできた血栓(血管内にできる血の塊)が、
肺の血管に詰まってしまうことで生じる病態のことです。

足の血液を心臓に戻すには、足の筋肉の動きも重大な役割を担っています。
よって、足を長時間動かしていないと、足の血液循環が悪くなります。
すると、血管内で血の塊(血栓)が生成されてしまうことがあります。
血栓は足を動かすことで血流に流され、肺の血管に詰まってしまいます。
これが、エコノミークラス症候群です。

飛行機のエコノミークラスのように狭い席で長時間座って移動することで
発症しやすいことから、この名前で呼ばれるようになったそうです。

今回は検査課のブログですので、少し検査にも触れさせていただこうと思います。
エコノミークラス症候群に関係する検査は、
血栓に関係する血液検査、X線検査、エコーなどなど、目的に応じて様々です。
エコーでは、足に血栓ができていないか確認できます。
患者さんへの負担も少ない検査です。
足のエコー検査は、災害時、被災地で足に血栓ができていないかを調べるためにも活躍しました。

皆さんは長時間じっと座って動かない、
ということはありませんか?
座りっぱなしにならず適度に体を動かすことで、エコノミークラス症候群を予防していきましょう。