豊橋にある精神科の可知記念病院です。本日のブログは医局が担当します。

リチウム中毒について

リチウム(炭酸リチウム、リーマス)は、躁鬱病などに使われる気分安定薬で、適切に使用すれば、安全かつ非常に効果的です。

一般的に、リチウムの治療域は血清リチウム濃度で0.6〜1.2 mmol/l、中毒域は1.5〜2.5mmol/lであり、両者が近いため、頻度は稀ですが、リチウム中毒に注意する必要があります。
リチウム中毒を予防するために、リチウム服用中は定期的に血液検査で血中濃度を測定します。

夏場などで脱水を起こしたケース、体調不良で食事をとれていないケース、ロキソニンなどの非ステロイド性消炎鎮痛剤を併用しているケースは、血中のリチウム濃度を上昇させる要因となるため、注意が必要です。

リチウム中毒の症状としては、発熱、発汗、吐き気、下痢、手足のふるえ、力が入らない、ふらつく、意識がぼんやりする、などがあります。
もしこのような症状がでたら、すぐに病院を受診してください。