今回のブログは薬剤部が担当します。

今年流行しているノロウィルスの対策

今年の冬はインフルエンザ・新型コロナ・マイコプラズマ肺炎が増える可能性があることから“トリプルパンデミック”の危険性があるとのニュースがありました。特にインフルエンザは12月中頃から急速に感染拡大していったように感じました。
いずれも風邪様の症状が主であり、年末年始で人の往来等もあり今後さらなる感染拡大が心配されます。
これらとは別にもう一つ冬になると流行するものとして“ノロウイルス”があります。
今回はこのノロウイルスについて解説していこうと思います。

ノロウイルスは下痢や嘔吐がとにかくつらい感染症としてよく知られています。
カキなどの二枚貝に含まれており、加熱不十分で摂取したり、汚染された調理器具を媒介して経口で感染します。
また感染した人の吐しゃ物や排泄物からも感染します。ノロウイルスは感染力が非常に強いため適切に処理し、その後次亜塩素酸での消毒をしっかりしないとあっという間に感染が広まってしまうため非常に厄介です。
感染対策としてはアルコールでの手指消毒は効果が薄いため石鹸での手洗いや次亜塩素酸で手が触れるドアノブ等の消毒が有効です。(※次亜塩素酸は手指の消毒には適しません)

症状こそ下痢や嘔吐が激しいものの、これらは1,2日と比較的早く改善します。ただし乳幼児や高齢者、基礎疾患等がある方などは重症化したり、脱水症状を引き起こす場合があるので注意が必要です。
治療法は特効薬がなく対症療法が基本となります。自然治癒がほとんどですが場合によっては整腸剤や脱水症状がある場合には輸液等が用いられることがあります。
また食中毒全般に言えることですが、下痢止めの使用はウイルスの体外排出を妨げてしまい症状が長期化・悪化してしまうので使用は控えてください。