今回のブログは薬剤部が担当します。
10月より処方薬の“先発品”を希望した場合、後発品との差額分が別途請求(治療上やむを得ない場合などは除く)されるようになりました。本来窓口負担が0割の型でも差額分請求は実費で請求されることもあり、以前よりも後発品を希望される方が増えていくことと思われます。
“後発医薬品=ジェネリック医薬品”と思われがちですが、後発品医薬品は他にもバイオシミラーと言ったものが存在します。いずれも同じ後発医薬品ですがどういった違いがあるのかを今回解説していこうと思います。
まずバイオシミラーとは何なのかですが、細菌や微生物によって作られるタンパク質を有効成分とする“バイオ医薬品”の後発品のことを指します。例としてはインスリンや比較的新しめの抗がん剤などの後発品がこれに当てはまります。
従来の一般的な医薬品は薬品等を化学合成して作ることが可能でしたが、バイオ医薬品は構造が複雑で化学合成が困難なため生物の力を利用(細菌や微生物等にタンパク質を合成させる)して作る方法がとられます。
バイオシミラーも後発品医薬品のため先発品と比べて安価に購入・利用できるといったメリットは同じですが、先述したように構造が複雑で生物による合成によって製造することもあり、ジェネリック医薬品とは異なり全く同一の構造を持つたんぱく質を合成することが困難といったデメリットがあります。
そのためバイオシミラーは構造にわずかな違いがあっても有効性や安全性が先発品と同等であるということを証明されたうえで認可がおりるようになっています。
※当院では現在バイオシミラーの採用薬が無いため写真はインスリンの先発品になります