今回のブログは薬剤部が担当します。

生ワクチンと不活化ワクチンの違いについて

今年の秋は例年と比べて暑い日が続いていましたが少しずつ涼しくなってきました。そうなってくるとそろそろインフルエンザワクチンの季節が来たという感じがします。

 

今年は子供用の経鼻インフルエンザワクチンの接種が話題になりました。注射を嫌がる子供がほとんどと思いますので子を持つ親としてもいいニュースのように感じました。

さて、この新しい経鼻接種のワクチンは生ワクチン(弱毒性ワクチン)となっており、従来の注射型の不活化ワクチンとは性質が異なっています。

今回はこの二つの違いについて解説していこうと思います。

まず生ワクチンですが“生きたウイルスまたは細菌”を接種します。ただそのままの状態で接種してしまうと感染症を引き起こしてしまいますので病原性を極めて弱く(弱毒化)したものを用います。

病原性は低いもののウイルスや細菌そのものを接種するため免疫が付きやすい(そのため接種が一回で済むものもある)一方、極まれにその病気にかかった時と同じ症状が出る場合があります。

そしてロタウイルスや先述した経鼻のインフルエンザワクチンなど注射以外のワクチンもあります。

次に不活化ワクチンですが、こちらはウイルスや細菌の有効成分(構造)の一部もしくは病原性をなくした(不活化)したものを用います。

生ワクチンと違い病原性が無いため接種時に感染するリスクはありませんが、一般的に一回の接種では免疫が付きにくいため一定間隔をあけて複数回接種する必要があります。

生ワクチンと異なり不活化ワクチンはほとんどが注射での接種になります。