豊橋市の精神科の可知記念病院です。
今回のblogは検査課が担当します。
血液型検査は不適合輸血を防ぐために輸血前に行われる重要な検査ですが、今回はABO式の検査についてお話します。
ABO血液型検査は、オモテ検査(抗Aおよび抗B試薬を用いて患者赤血球のAおよびB抗原を調べる)とウラ検査(既知のA1およびB血球を用いて、患者の血漿または血清中の抗Aおよび抗B抗体の有無を調べる)があり、この両方を実施します。
オモテ検査とウラ検査の結果が一致している場合にABO血液型が確定でき、一致しない場合は原因を推定、精査します。

当院には小児科はありませんが、新生児、乳児の場合、ABH抗原は存在しますが未発達で、生後1歳未満では抗A、抗Bは産生不十分であること、母親由来の抗体の影響からオモテウラ不一致になることがあります。そのため生後1歳未満ではオモテ検査のみで暫定的に判定してもよいこととなっています。児の抗体価が整うまでには早くても6か月~1年かかりますので、正確な判定には生後1~2年を待ってからの検査が必要です。

◆判定基準

オモテ検査(赤血球側) ウラ検査(血漿または血清側) 判定
抗A 抗B 結果 A1血球 B血球 結果
0 A型 0 A型 A型
0 B型 0 B型 B型
0 0 O型 O型 O型
AB型 0 0 AB型 AB型

+は凝集、0は非凝集