豊橋市にある精神科の可知記念病院です。
本日のブログはデイケアが担当します。
生活目標設定 デイケアのアプローチ④
デイケアではメンバーさんと半年に1回、定期面接を行っていることは、以前ブログでお話しました。この面接の肝は、メンバーさんが目指していく生活目標は何かということです。
生活目標を設定するには、生活状況の把握に加えて、今何に悩んでいるのか、将来どのような生活をしたいのか、それに向けて何をするべきか、何ができるようになればよいのかなど、メンバーさん自身の主体的な思いを傾聴する必要があります。
基本的にはメンバーさん本人が考える目標を中心に進めていきますが、支援者も担当メンバーさんを評価して生活目標を設定するべきであると考えます。互いが考える目標とズレが生じた場合、目標をすり合わせる協業作業が重要となります。
「なぜ、これだけのことが出来るのに、この目標なのか」と思うこともあります。発症後、辛い体験により、自信を喪失、その結果適切な目標を設定できないことがあります。自信が回復していけば、適切な目標を掲げることが出来るかもしれません。例えばスタッフから何か役割を担っていただくことを依頼、その役割実施後、他スタッフや他メンバーからのポジティブな声掛けにより、成功体験としての認識を強化します。こうした成功体験の積み重ねは、自信の回復に後押ししていくと考えます。その結果、一般就労を目標に掲げる方も少なくありません。
反対に、現状を顧みず一足飛びに目標を設定される方もいます。「なぜ、そんなに焦るのだろう」と思うこともあります。理由を尋ねると、将来への不安からの焦り、家族からのプレッシャーなどを語られる場合があります。スタッフは、この不安を解消するべく社会資源の紹介や、家族との付き合い方などを一緒に考えます。また、現在できている部分を確認して、できている部分と生活目標との関連性を把握します。そして更に何ができれば、生活目標に近づけるかを話し合い、短期目標を設定してきます。このような話し合いの繰り返しにより、より現実的な長期目標を設定できると考えます。
適切な生活目標が設定され、メンバーさん自身が目的をもってデイケアに参加していただけることを日々願っております。