豊橋市にある精神科の可知記念病院です。
今回のブログは薬剤部が担当します。
冬場に起きられない原因について
最近だいぶ日照時間が長くなってきましたが、少し前までは朝も起床時にはまだ薄暗いせいもあってか、
“なかなか目が覚めず二度寝してしまう”
“布団から出たくない”
といった経験をした方もいるのではないでしょうか。
なぜ冬場の朝はなかなかすっきり起きられないか??これには日照時間の短さによるセロトニンとメラトニンの分泌量の変化が深くかかわっているようです。
まずセロトニンですが、俗に“幸せホルモン”と言われている物質です。日中、光を浴びることで分泌されます。これが分泌されることで意欲や活力が湧き、逆に分泌量が低下すると意欲が低下しうつうつとした気分になって行きます。
“冬場はなぜか気分が沈む気がする”と感じる方もいるのではないでしょうか。
日照時間の短い季節や地域では“冬季うつ(ウインター・ブルー)”という病気もあるようで、主な症状として倦怠感と強い眠気などがあるようです。
次にメラトニンですが、日々の睡眠や覚醒、体温調整からホルモン分泌などの様々なリズムを調整する物質となっています。
メラトニンは朝、光を浴びることで分泌が抑制されて覚醒を促し、逆に夜には分泌が促進されて眠気が出てきます。
またメラトニンはセロトニンから合成されるため、日中のセロトニンの分泌量が低下するとメラトニンの合成量も低下し睡眠のリズム等が崩れやすくなります。
対策としてはどのようなことがあるか?ですが、
・なるべく日の光を浴びるようにする(セロトニン、メラトニン↑)
・セロトニンは必須アミノ酸のトリプトファンから合成されるため、それを多く含む食事(肉、魚、乳・大豆製品など)をとるようにする
・体内時計が乱れないよう規則正しい生活をする(メラトニンの分泌リズムが狂わない)
などがあります。