豊橋市の精神科の可知記念病院です。
今回のblogは医局の担当です。

認知症疾患医療センター

当院では以前から東三河地方の認知症診療に積極的に関わっており、平成30年9月より認知症治療病棟も稼働しています。さらに今年8月に愛知県より認知症疾患医療センターの指定を受けました。今後は地域の医療従事者や住民に対する研修会など認知症についての啓蒙活動にもより積極的に取り組んでいく予定です。今回は認知症疾患医療センターの役割について紹介したいと思います。
認知症疾患医療センターは、厚生労働省が平成29年度から開始した認知症医療・介護体制強化事業の一環として、全国に設置されています。この事業では、認知症の人とその家族が住み慣れた地域で安心して暮らせるように、医療と介護の連携を強化することを目指しています。
具体的には、認知症の早期発見・早期対応を促進すること、認知症の行動・心理症状(BPSD)や身体合併症に対する専門的な医療を提供すること、認知症の人とその家族に対する包括的な支援を行うことなどです。
認知症疾患医療センターはかかりつけ医や施設、介護事業者と連携し、認知症の方やその家族の診察や相談に応じる専門機関であり、以下の5つの役割を担っています。

①専門医療相談
本人・家族のほか、介護事業所など認知症に関る人からの相談を受け付けます。認知症に対する専門知識を有するスタッフが対応し、治療や介護について相談に応じます。

②鑑別診断と治療方針の決定
画像検査や血液検査、心理検査のほか、専門医による診察などによって、認知症の詳しい診断を行います。診断の結果に基づき本人や家族と相談の上、治療方針を決定します。病状に応じて日々の診療を行う近隣の医療機関の紹介や、その他関連機関と連携をはかり、介護や生活支援まで体制を整えます。

③行動・心理症状(BPSD)・身体合併症への対応
BPSDがみられる場合、治療や入院の受け入れ、または対応可能な医療機関を確保する役割も担います。身体的な合併症についても、必要な治療体制を確保します。

④地域の関連機関との連携
地域の医療機関や地域包括支援センター・福祉事務所・保健所などと連絡・調整役を担っています。医療・介護・生活支援の体制をスムーズに構築するため、医師会や各種事業所、家族会などともネットワークづくりを行います。

⑤連携協議会・研修会の開催、啓蒙活動
地域での連携体制強化のため「認知症疾患医療連携協議会」を組織化し運営するほか、関連機関や医療従事者向けの研修も行います。また、一般市民向けにも認知症に関する啓蒙活動を行い、理解と支援の促進に努めます。