豊橋市の精神科の可知記念病院です。
今回のブログは医療相談室が担当いたします。

精神疾患・精神保健福祉の歴史(日本編⑫)

精神疾患および精神保健福祉の歴史(日本編⑫)を紹介します。
また、保健所を精神保健行政の第一線機関として規定し、精神衛生相談員や嘱託医の配置、精神保健相談や訪問指導を規定、精神障害者の地域支援をすすめることとしました。
一方で、家族や学校・医療機関などに精神障がい者の報告義務を課す、警察官の家庭訪問の徹底、精神障害者リストの作成、自傷・他害の恐れのある精神障害者の警察への通報義務をもうける…といった保安的要素の強い方針が出されています。
欧米諸国では、1950年代後半から抗精神病薬の開発や人権意識が高まり、精神科病院への入院を中心とする精神科医療であった施設中心主義から地域へと生活の場を移す地域生活支援中心に脱施設化の動きが活発となっていました。
しかし、当時の日本はいまだに1919年の精神病院法の隔離収容主義の流れを受け継ぎ、私立精神病院設立の助成制度による病床増加、また、病院の経営といった問題もありました。結核患者が減ったことで結核病院の経営が立ち行かなくなった結果、その多くが精神病院へと変わっていきました。
このような精神病院の急増は、医療や看護の質の低下を招いていきます。

続きは次回、医療相談室ブログで紹介します。