豊橋市の精神科の可知記念病院です。
今回は医療相談室が担当します。
精神疾患・精神保健福祉の歴史(日本編⑪)
精神疾患および精神保健福祉の歴史(日本編⑪)を紹介します。
結果的にライシャワー事件の翌年、精神衛生法が改正されます。ここで緊急措置入院が法的に制度化されます。
緊急措置入院:「自傷他害のおそれが著しく、急速を要する場合」には、72時間にかぎり、精神衛生鑑定医一名のみの診察で強制的に入院させることができる。というものです。
同時に、通院医療費公費負担制度が制定されました。いまでいう自立支援医療の制度のことです。精神疾患は、継続的に適正な医療が行われないと症状が増悪することがあること、
治療の必要性についての理解が十分でないこと、社会的活動性の低下等により自ら進んで適切な受診をすることが困難である場合があること、疾病のために仕事ができない等、経済的に困難な状態にある者があること…などなど、
精神疾患とその患者が置かれた状況に言及されており、継続的な受診の必要性があるが、経済的に困窮する場合が多く、治療を受けるにあたっての負担も自然と大きくなってしまうことへの支援策として、適切な受診を促し、社会復帰を促進することを目的としていました。
地域生活や通院医療の支援という意味で、ライシャワー事件をきっかけに逆流する前の流れを汲んだ施策といえます。
続きは次回、医療相談室ブログで紹介します。