豊橋市の精神科の可知記念病院です。
今回のブログは薬剤部が担当します。

植物由来の成分を含む薬

病院に通院した際に初回の問診で薬や食物のアレルギーを過去に起こしたことがあるかを確認する項目があるかと思います。
薬はともかく食物アレルギーは治療にどう関係が?と思われるかもしれませんが、一部の薬には食物由来の成分を含むものがあります。
該当する由来成分としては「(牛)乳」「卵」「ゼラチン」「ウシ」「ブタ蛋白質」「大豆」等があります。
下記に示す例は当院で採用があるもの(もしくは過去にあった)となります。

例1:経腸栄養剤
当院でも採用があるエンシュアH、エネーボは双方ともに牛乳たんぱくのガゼインが含まれており牛乳アレルギーの方には禁忌となっています。ほかの経腸栄養剤のラコールNFや肝不全用経腸栄養剤のアミノレバンENも同じようにガゼインが含まれており禁忌となっています。

例2:リゾチーム塩酸塩
卵由来の成分のため卵アレルギーのある方には禁忌となっています。消炎酵素剤として以前は医療用の内服薬があり風邪などの喉の痛みに使用されていましたが、今は製造中止となっているため存在しませんが、一部の市販の風邪薬にはまだ使用されているようです。

例3:インフルエンザワクチン
製造過程で鶏卵を使用するため卵アレルギーの方は使用する際注意が必要になってきます。ただし上記二つとは違い禁忌ではないため、該当する場合は健康状態及び体質に応じ、接種の必要性・リスク・有用性を十分説明し、同意を得たうえでの接種となります。