豊橋市の精神科の可知記念病院のブログです。
本日のブログは看護部が担当いたします。

認知症の危険因子・防御因子について

昨今、テレビ番組でも認知症についての番組が多く扱われるようになりましたが、認知症の勉強をしていると「認知症って遺伝するの?」「認知症にならないようにするにはどうすればいいの?」などの質問を受けることがあります。今回は認知症の危険因子・防御因子について考えてみたいと思います。
認知症の危険因子として、加齢、遺伝的危険因子、血管性危険因子、生活習慣関連因子、などがあります。防御因子としては適度な運動、食事因子、余暇活動、社会的参加、精神活動、認知訓練などがあると言われています。
この中で、加齢や遺伝的要因は自分の意思ではどうしようもないことだと思うので、大切なのは生活習慣を見直すことではないでしょうか。特に高血圧、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病は認知症の発症に大きく関与することが研究で示されています。特に糖尿病における血糖の管理はとても重要で、認知症は「第3の糖尿病」と呼ばれる程です。
では予防の観点から必要なことはと言うと、やはり運動に勝るものはないと言われています。具体的にはウォーキングなどの運動を1日30分、週3-5階程度行うことが推奨されています。運動は苦手という方も、知的要素を取り入れた余暇活動(囲碁、将棋、麻雀)や地域の集まりに参加する、友達とおしゃべりをするということだけでも、何もやらないより効果的な認知症予防になるようですね。コロナも少しずつ落ち着いてきて、これから夏本番になる前の今の季節、時間を見つけて外に出ることを心がけていきたいものです。