豊橋市の精神科の可知記念病院です。
本日のブログは医局が担当いたします。

性教育の重要性

この数年、梅毒が日本の特に若年女性の間で広がりを見せています。北米や欧州も例外ではないのですが、日本では増加が著しく、2022年の梅毒感染者数はおよそ1万3000人で、現在の方法で統計をとり始めた1999年以降で過去最多となっています。
性感染症はもちろん性行為で感染するのですが、この“性行為”には性器の接触による性交のみならず、口や肛門などの接触も含まれます。そして、予防の基本は、性行為の最初から最後まで適切にコンドームを使用すること。これが本当に大事です。「避妊をすれば良い」という認識のみで「ピルを飲んでいるから大丈夫」という人もいますが、ピルでは性感染症に対してノーガード、まったく予防できません。
そして根本的に重要なことは、小さい頃からの性教育です。日本は「寝た子を起こす」という意見が大きく、しっかりした性教育を学校で行なうことに及び腰な保護者/教育者が多くいます。しかし、学校で正しい知識を得ないままでは、歪んだ情報に溢れてしまうリスクが高いでしょう。性行為自体は恥ずかしいことではありません。正しい知識を持ってより安全に行なうことで、性感染症のリスクを最小限にできるのです。例えば『おうち性教育はじめます』や『だいじ だいじ どーこだ?』など、親子で学べるタイプの書籍が導入には望ましいでしょう。