豊橋市の精神科の可知記念病院です。
今回のブログは薬剤部が担当します。

漢方薬を製造・販売しているメーカー…

有名なところとしては『ツムラ』『クラシエ』などがあり、例えば葛根湯もそれぞれのメーカーから出されています。
同じ漢方薬ならメーカーが違っても同じものじゃないの?となるかと思いますが、ジェネリック医薬品とは違い漢方薬はメーカーによって若干の違いがあります。
・含まれる生薬の種類は同じだが使われる量が違う。
例えば葛根湯は7種類の生薬が使われていますが『ツムラ』と『クラシエ』の1日量(共に7.5g)の組成を比較すると、
・カッコン  :ツ…4.0g ク…8.0g
・タイソウ  :ツ…3.0g ク…4.0g
・マオウ   :ツ…3.0g ク…4.0g
・カンゾウ  :ツ…2.0g ク…2.0g
・ケイヒ   :ツ…2.0g ク…3.0g
・シャクヤク :ツ…2.0g ク…3.0g
・ショウキョウ:ツ…2.0g ク…1.0g

上記のような違いがあります。
現在医療用や市販されている漢方薬のほとんどが『エキス顆粒(細粒)』または『錠剤』ですが、これらは『生薬の抽出エキスを乾燥させた顆粒(細粒)または錠剤』となっており組成の配分こそ違いますが治療効果に大差はないといわれています。
また組成生薬の合計量と漢方薬の量が異なるのもこの作り方によるものです。
他にも生薬成分が近似の生薬に代わっている場合(ビャクジュツとソウジュツなど)もあり、同じ漢方薬であってもメーカーによって似て異なるものという扱いになっています。