豊橋市の精神科の可知記念病院です。
今回は医療相談室が担当します。
精神疾患・精神保健福祉の歴史(日本編⑧)
精神疾患および精神保健福祉の歴史(日本編⑧)を紹介します。
精神衛生法の制定により、私宅監置が違法になりましたので、患者さんたちの行き場がなくなります。
当時精神病院は圧倒的に不足しており、これが民間精神病院ブームへと繋がっていきます。
1954年、当時の厚生省の調査により、1952年(昭和29年)における精神病院数は224、病床数37849床、病床利用率は110.4%、1955年(昭和32年)では、精神病院数は371、病床数64725床、病床利用率は103.4%となっており、精神病院、病床数が絶対的に足りない!ということで、精神衛生法の一部が改正されます。
それまで都道府県が設置する精神病院や精神病室の設置、運営の経費を国が1/2を補助していたところ、改正によって非営利法人の民間精神病院への国の補助ができるとし、民間の精神病院の整備拡大が進められました。
そして、1960年に医療金融公庫が発足し、精神病院設立に優先的融資が行われ、精神病院の新築や増築をどんどん促進しました。
そして、向精神薬の導入により、専門的訓練を受けていない医師でも薬物療法ができるようになり、簡単に利益が上がる病床とみられるようになりました。
結果として民間精神病院ブームとなり、国が目標としていた人口1万対25床は達成、精神病床数の絶対的不足は解消されました。
しかし、精神病院の殆どが設立にあたって土地の確保が困難で、交通の便が悪い場所や地域とのかかわりが殆どない辺鄙な田舎に建設され、療養環境も劣悪だったようです。
続きは次回、医療相談室ブログで紹介します。