豊橋市の精神科の可知記念病院です。
本日のブログは医局が担当いたします。
睡眠時無呼吸症候群に気をつけよう
睡眠時無呼吸症候群という病気があり、特に一般の外来でも見受けられるのが閉塞型、という種類。寝ている時に、舌などが下に落ち込むことで空気の通り道(気道)が“閉塞”されることが大きな原因です。気道が狭まることで、大きな“いびき”をかきます。いびきをかくだけで何も問題がないなら良いのですが、残念ながら影響は全身に及ぶのです。日中の眠気はもちろん、しつこい頭痛、疲労感、集中力低下といった漠然とした症状の他にも、高血圧や糖尿病、心疾患などなど、血管を中心とした病気にかかりやすくなってしまいます。精神科と睡眠時無呼吸症候群との関係では、この病気があることですっきりと眠れず、様々な精神障害が治りにくくなることが挙げられます。また、睡眠時無呼吸症候群によって抑うつ的にもなってしまい、その場合は睡眠時無呼吸症候群の治療をすることが欠かせません。
睡眠時無呼吸症候群は、お酒や睡眠薬で悪化してしまいます。これらは筋肉を緩める作用を持っているため、舌の筋肉も緩み、寝ている時に気道を邪魔してしまうのです。「眠れない」という患者さんに対して睡眠薬を処方すると、患者さんに睡眠時無呼吸症候群があった場合はさらにいびきを強くしてしまい、眠れた感じが全く出なくなってしまいます。先述した通り、うつ病の背景に睡眠時無呼吸症候群があることも稀ではないので、精神科ではわりと注意すべき病気です。
生活習慣病を持っている人、肥満気味の人、なかなか眠れず日中のだるさが取れない人、運転中や仕事中にふっと眠気に襲われてヒヤッとしたことのある人、いびきをご家族や知人から指摘されたことのある人…。ぜひとも病院の“睡眠外来”や“呼吸器内科”で相談してみてほしいと思います。