豊橋市の精神科の可知記念病院です。
本日のブログは医局が担当いたします。
『診察の順番』
診察の待ち時間は、診察中も気にかけていることの一つです。出来れば待ち時間は短い方がいいですし、長くお待たせしていると申し訳ない気持ちが次第に大きくなって来ます。とは言え、精神科の診察はいろいろな状況がありますから、時間のコントロールが難しい面があります。妥当な診察時間の考察はひとまず置いておいて、今回は、お呼びする順番について考えたことを書かせていただこうと思います。
※私個人のケースであり、担当医師ごとに考えは異なりますのでご注意ください。
例(1)
10:30予約、10:20来院受付
10:45予約、10:35来院受付
これは簡単です。順番にお呼びします。 では、
例(2)
10:30予約、10:28来院受付(Aさん)
10:45予約、10:15来院受付(Bさん)
早くも迷います。せっかく予約をしていただいているので、私は予約時間順に、Aさん→Bさんとしますが、逆にする医師もいます。Bさんが長く待っているな、と頭をよぎるのです。
例(3)
10:30予約、10:32来院受付(Aさん)
10:45予約、10:25来院受付(Bさん)
さらに迷います。Bさんは予約前に来てくれています。Aさんは予約の少し後に受付。でも予約時間はAさんが先です。この場合、私はBさん→Aさんとします。Bさんの方が先に来ているからです。
例(4)
10:30予約、10:35来院受付(Aさん)
10:45予約、10:40来院受付(Bさん)
これはまた迷います。Aさんは少し遅れていますが、Bさんよりは早く来ている。この場合、10:45より早ければAさんから、10:45を過ぎていたらBさんから診察します。予約通り来ていただいた方をなるべくお待たせしたくないからです。
これが3人、4人での順番を考えることになると、さらに複雑になります。ある程度直感的に順番を決めますが、待っておられる一人ひとりの顔を浮かべながら、なるべくバランス良くなるよう努めています。 実際の診察では、さらに、患者さんの状態を想像して、調子の悪い方を先にすることもあります。また、待ち時間の過ごし方も想像したりします。「読書が好きで、ゆっくり本を読める時間になっているので気にしないで下さい」と仰られると、有り難い(そして素晴らしい)と思う反面、甘えないように、お待たせしないように、公平に、という気持ちにもなります。 そして、お待たせしましたの一声、気持ちを忘れないようにしています。