豊橋市の精神科の可知記念病院です。
本日のブログはデイケアが担当いたします。

ピアグループ ~ デイケアのアプローチ

ピアサポート、ピアカウンセリングなど、当事者間の相互支援は、リカバリーに向けてのアプローチとして重要な位置を占めています。
「ピア」という言葉は英語でPeer、仲間、同士の意味です。ピアグループとは、当事者のエンパワーメントの力動を生かしたグループを言います。デイケアではメンバーが発起人となり、メンバーが主体的に運営するプログラムがあります。
イラストクラブは、発起人がメンバーにイラストを簡単に描けるように教えています。発起人はどうすれば簡単に描けるのか、時には絵かき歌風に描くなど、工夫して企画しています。参加者は楽しみながら参加しており、発起人は達成感を得ているようです。
傾聴の会は、発起人が主にファシリテーターを行い、“メンバー間の交流を深めること”を目的に、話し合いを繰り広げていきます。スタッフは一参加者として会に参加することもあります。楽し気な雰囲気の中、テーマに沿って終始話に花を咲かせています。毎回、大勢のメンバーが参加しており、人気のあるプログラムとなっています。
その他、プログラム以外での場面でも、メンバー間同士の交流の中において、ピアの効果が作用していると考えます。
つらい体験をしたとき、同じような体験から立ち直った人から「大丈夫、今よりきっとよくなるよ」との一言は、心に響くものがあり安堵します。「自分だけじゃないんだ」と思うことが回復のきっかけになることもあります。体験した人しかわからない、体験した人しかできない関りがあること、私たちが到底かなうことが出来ないアプローチがあると日々実感します。
メンバーの負担にならないように、メンバー間の交流をコーディネートして、助け合う関係性の構築をサポートしていくことが、私たちの重要なアプローチの一つと考えております。