豊橋市の精神科の可知記念病院です。
今回は医局が担当します。
向精神薬の覚え方
向精神薬は抗精神病薬、抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬、抗認知症薬などなど…という分類が一般的です。しかし、そういう覚え方ではなかなか次の一歩に進みにくいことが多々あるのも事実でしょう。
現在の薬剤治療を見てみると
・うつ病に抗精神病薬を用いる
・慢性疼痛に抗うつ薬を用いる
・強迫症に抗うつ薬を用いる
といったように、診断横断的な使い方が目立ちます。「統合失調症ではないのに抗精神病薬を使う」、「うつ病ではないのに抗うつ薬を使う」というのは、不思議に感じるかもしれません。この疑問に回答するには、上記の分類名とは別に作用機序による分類名が一定の役割を果たしてくれるかもしれません。一般的な分類と作用機序による分類、この2つを理解することで、向精神薬の選択に合理性をより持たせることが可能になるのだと思われます。
ぜひとも、向精神薬を使う機会の多い治療者は、作用機序で薬剤を覚えるという視点を持っていただきたいのです。そうすると、治療に幅が出てくるでしょう。