豊橋市の精神科の可知記念病院です。

本日のブログは薬剤部が担当いたします。湿布薬について大切なポイントを書かせていただきます。

湿布薬

肩こり、腰痛、筋肉痛など、あらゆる場面で使用することのできる湿布薬は、私たちにとって身近な薬です。特に肩こりや腰痛など慢性的な痛みを抱えている人は、毎回痛みが起きる度に使用しているという方も少なくないと思います。実は当院職員にも大人気です。 湿布薬は、体に貼るので貼った部分にしか効果がないと思っている方もいらっしゃいますが、湿布薬は皮膚を通して薬が吸収され全身に作用することになります。痛みがあればどこであってもすぐに湿布薬を使用する方がいますが、時には副作用が起こることもあるため危険です。湿布薬には冷やすタイプと温めるタイプがあります。冷やすタイプは、打ち身、捻挫、打撲、肉離れなど外傷を受けて、熱をもったり、痛みなど患部に急激な炎症が起きているときに使います。温めるタイプは、肩こり、腰痛など局所が冷たい時や筋肉のこわばりがあるなどの慢性的な症状に使います。症状に合わせて正しく使用することが大切です。

上手な貼り方と注意点

最近の湿布薬は、主薬がおよそ12時間で均一に放出されるように作られているため1日1~2回患部に貼りかえるだけで十分な効果を発揮します。冷湿布薬は、冷蔵庫で保存しておき、冷えたものを使うとより効果的です。腰痛や筋肉痛など慢性の痛みには体を温めてから貼ると効果的ですので、入浴後に使用するのがよいでしょう。しかし、温感湿布を使用中の時は、入浴によって皮膚が刺激されて痛いので、入浴の30分~1時間前にはがし、入浴後30分位たってから貼るようにして下さい。夏場は数時間毎に湿布をちょっとはがして、肌をきれいにしてからまた貼れば効果的です。お風呂上りは汗をかきやすいので、体のほてりが鎮まってから貼ると良いでしょう。痛みを抑える成分の湿布薬(経皮消炎鎮痛薬)の中には、はがした後もその成分が少なからず残り、そこに直射日光があたると、過敏症のある方では、腫れたり、赤くなったりすることがあります。湿布薬をはがした後、少なくとも4週間は注意が必要ですので、晴れた日だけでなく曇りの日でも濃い色の服(長袖やスラックス)やサポーターなどで、貼った所を日光から遮って下さい。

湿布薬の処方上限70枚から63枚へ

医療保険のルールや医療行為は中央社会保険医療協議会で2年ごとに改定されます。

湿布薬の上限が作られたのは2016年4月からでこの時1回70枚上限ルールが新設されました。医療費の適正化に向けての動きのひとつだと思いますが、今年4月から湿布薬の1処方あたりの上限が原則70枚から63枚に変更されました。