豊橋市の精神科の可知記念病院です。
今回のブログはデイケアが担当しました。
デイケアのアプローチ ①アプローチってなに
精神科リハビリテーションのアプローチと聞いて何を想像しますか?
活動名を挙げる方が結構います。もちろん活動だけでもアプローチと呼びますが、加えて活動やその他の交流の中で、対象者のリカバリーを目指すための細かい設定や関りなどを総称してアプローチと呼んでいます。
例えば、障害基礎年金のみの収入で単身生活をされている方が、面談で「自分の買いたいものが買えない、毎月ギリギリで生活している」との訴えがあります。
スタッフより毎日家計簿をつけるように助言、月末に生活費の内訳をスタッフと一緒に確認することになりました。
毎月の出費の内、食費が大部分を占めていることが判明しました。朝食は菓子パン、夕食は外食か、ご飯を自分で炊いて、おかずはスーパーで購入した惣菜を食べています。料理は、ご飯を炊くこと、即席めんを調理することしか経験がありません。
スタッフより料理ができるようになり、自炊することで出費が抑えられると助言、生活目標に「料理ができるようになる」を追加することに合意、料理クラブへの参加が決定しました。
料理クラブでは、自宅で実施していること、ご飯を炊くこと、皿洗いの役割を担っていただきました。ご飯が美味しく炊けたこと、キレイに皿を洗ったことなど、できている部分をスタッフからフィードバックされることによりモチベーションの向上、自信の獲得を図りました。こうした関りの中で、徐々にできる作業が増え、数か月後、自宅でチャーハンを作れるようになりました。さらに料理クラブを継続する中、できるレシピが増え、自炊の機会が増えるのと同時に、金銭的に余裕が生まれ、買いたいものが買えるようになりました。その結果「楽しい時間が増えました」と発言がありました。
アンダーラインの部分が、アプローチです。
アプローチについて、メンバーさん、スタッフ間で話し合い、最良なアプローチを提供することが重要になります。
アプローチの積み重ねにより、生活目標の達成、最終的には自己実現に繋がっていただけたらと考えています。